お香の憧憬を深めた10月
こんにちは。悠々庵の吉田です。いかがお過ごしでしょうか。連休明けの今日も、朝日が差し込む爽やかな朝です。 さて、芸術の秋、でございます。私もそれらしき出来事が2つありました。 その110月4日伊勢神宮内宮で行われた、香道御家流宗家による御献香会に参加させていただきました。雨模様でしたが、移動の際には不思議に雨もおさまり、まさに神様に守られた心地がした不思議な1日でした。朝9時50分、内宮の正宮(皇大神宮)の中の門を特別に開けていただき参拝。11時からは神楽殿でお家元の献香に同席させていただきました。 直会(神様のお下がりをいただく食事)を終えてから、夫婦岩で有名な二見にある賓日館にて、今回献上したお香を聞かせていただく餘香席。このお席で『皆さん、和歌を一句作ってください』とお題を出されましたが、慣れない正座で意識が遠のき、何も浮かびませんでした。帰りに徳川美術館で展示中の『魅惑の源氏物語』『宮廷文化の華』に立ち寄り、徳川家に伝わる香道具を拝見し、何十年ぶりに古典のお勉強。新幹線の中、kindleの新古今和歌集をスマホに入れ、徳川美術館ではかな文字練習帳も購入。ああ、和歌が詠めるような大人になりたい。 その2国内著名な古美術商が一堂に会して自信の品物を展示する、東京美術倶楽部特別展に行って来ました。『手に取れる本物の美術品ばかりだよ』と出展していた叔父の言葉通り、手に取るのも怖い(笑)ものばかりでしたが、香道具や香木も出ておりました。撮影禁止のものも多い中、香道具の一部はOKだったのでご紹介します。1. 三井家に伝わる御家流の香道具 写真不可でしたが立派なカタログをいただきました。2. 古美術『白水』さんのブースにあった桐の香箪笥と3. 引出しの中の圧巻の200種類以上の香木。4. 香木の名前を書いた紙包を一つ開けてくださいましたが、中には、名前の由来の和歌(藤原定家)が書かれていました。5. 蒔絵の香木箪笥と、6. 引き出しの中の香木、たしか約200種類。2つの箪笥のお値段は、写真のとおりです。つい、触ってしまいました!7. 水戸家など徳川に伝わる香木。中を一つ開けていただきました。歴史の中で使われた跡があります。「好きなところから割ってもいいよ」とお声がけくださいました。いったいおいくらでしょう?(笑)やはり、作品から発しているエネルギーが凄すぎました。体の疲れ具合が強烈です。 10年前に、国立新美術館でオルセー美術館展(オルセー美術館改装のタイミングで、ものすごい名画が一気に来た)時と同じ疲れ具合。途中休みながら見ないと、作品にやられてしまいます。見終わり、館内のカフェで紅茶を3杯も飲み、やっとしゃべれるように。(笑)古美術の力に圧倒された、一日でした。 昨夜は夜風が心地よく、きれいな月でした。日毎に秋冷の加わる頃です、皆様もご自愛のほどを。
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